今節のバイエルン・ブンデスリーガ第17節 「狼はどっちだ」1972年 アメリカ …時は西部開拓時代、冷酷非情さで名をはせた「狼」と呼ばれる殺し屋ガンマンは新任の謎の保安官補に奇襲を受けて負傷、別の土地で再起を図ろうとしますが行く先々の町には既に保安官補の手が回っていて近寄れず、やむなく荒野に出たたものの川や湖など主な水場も抑えられていて追い詰められます。更に、他人には知られていないはずの家族も賞金首リストに加えられたという事実を知り驚愕する狼。保安官補はただ殺すのではなく極めて冷酷に、狼を充分にいたぶってから仕留めようとしています。なぜそこまで執拗に?…狼には解りません。今まで自分が殺してきた人間の数を思えば仕方のない事ではありますが…。 逃げ込んだ洞窟で渇きに耐えながら、彼は一度だけ見た保安官補の鋭い眼を思い出し「どっちが狼だ?奴の方が危険な男じゃないのか…」と震えるのでした。そしてついに洞窟にも蹄の音が迫り… ──などというブロンソンが出てそうな西部劇映画はもちろん存在しませんが(笑)、観戦中にそんな与太話が浮かぶほどバイエルンの支配は圧倒的で、攻撃はもちろん奪われても瞬時に食らいついて奪還する流れが延々と繰り返される展開に終始、狼の牙を持っていたのは間違いなくバイエルンの方でした。序盤にして最大、そして最後のピンチをノイアーが防いでくれたおかげで試合はもう決まったと言えるかもしれません。 前節のチャンスを活かした事で覚醒したロカは最初の1分から交代まで精力的なプレーを見せ続けて、今回は敵ブロックの狭間で攻撃的な仕事も見事にこなしてくれました。さすがのムシアラもゴールは決められませんでしたが随所に見せ場はあって、中盤はこのコンビでも十分戦えますね。逆に言えば、これほどの選手でもキミッヒ-ゴレツカの壁は越えるに高いという事でもありますが… 最終ラインの面々もたまにあるカウンターをあらかた無難に処理し続けていて、特に今回はリュカの見せ場が多かったかなと。瀬戸際のどつき合いはやっぱり強いですね。 前線に関してはもう特筆する事もなくいつもの素晴らしいバイエルンで、アシストすべき人がアシストし、決めるべき人が決めたという印象でした。ウパメカノの移籍後初ゴールもおめでたい限りです。 当たり前のようにゲルト・ミュラーの記録を破ったレヴァンドフスキのゴール、倉敷さんがちゃんと「ケーキにイチゴが乗った」と言ってくれたのも個人的に嬉しかったです(笑)。それにしても、41ゴールの時といいイチゴを最後まで隠しておくレヴァンドフスキも相当なエンターテイナーであります。 これで2021年の試合は終了、短いお休みを挟んで新年初戦は因縁のBMG戦になります。ヴォルフスブルクほどではないにしろ最近あまり調子の良くない彼らですが、休止を挟めば状況はいくらでも変わるでしょう。ただ今期のバイエルン的には何としてもお礼参りを果たさなければなりません。初詣より大事な来年最初の大イベントに期待が高まります… 今年最後という事で文章も無駄に長くなりましたが、お付き合い頂いた皆さん今年もありがとうございました。良いお年を…
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